4月9日から4月14日頃の七十二候が、鴻雁北。冬の間を日本で過ごしていた雁(がん)が北国へ去っていく頃の意味。
ツバメが南から日本に来るように、日本から北に帰っていく渡り鳥もいるわけである。ただ、雁が見られる地域は東北の一部で、日本の中でも今はごくわずか。名前としては知っていても、実際に見たりすることは稀のようだ。
雁といえば、“がんもどき”。雁に似せて作った肉の代用食品というのが由来のようだが、雁の肉を食べたことがないので、味が似ているかどうかは、まったく分からない。調べてみたら、雁の肉は美味であることから、近代以前の日本では広く食用とされていたが、個体数の減少から、1970年以降は狩猟が禁じられているらしい。つまり、本当に雁の肉の味を知っている人間は、ほぼいないということで、面白いものである。